正しい歩き方できていますか?

40代以上のあなたへ

 

最近少しの段差でよくつまずいてしまう。

そんなことがあるあなた!

そんなあなたは、正しい歩き方ができていないのかもしれません。

 

ベッドに仰向けの状態でねたときに、自分の足の向きを見てみてください。つま先が下がってこんな足の形になっている人はいませんか?

力を抜いた状態でつま先がだらんと下に落ちている状態

 

このような足の変形を「下垂足」といいます。

 

この下垂足の原因となる筋肉が、

前脛骨筋

という筋肉です。

 

前脛骨筋は通常の歩行時につま先を持ち上げて(背屈)、つまずかないよう補助する役割があります。

この前脛骨筋がうまく機能していないと、歩く際につま先があがらず少しの段差でつまずいてしまったり、転倒してしまうような原因となる場合があるのです。

高齢者の歩行においても重要な筋肉になります。

 

 

正常の歩行とつま先歩行

正常に筋肉が働いている状態での歩行は図のように

踵→足の裏→つま先

の順番に足がつくようになります。

踵→足の裏→つま先の順番に足がつく正常歩行

 

 

しかし前脛骨筋が機能せず、つま先が持ち上げられない状態での歩行では、つま先が終止地面についたままの形になるため、つまずきやすくなるのです。

つま先があがらず、地面についたままの歩行

 

 

 

 

歩行が正常でない場合、以下のような問題が起こります。

ふくらはぎの後ろ側への負担

→つま先が先につく歩行の場合ふくらはぎの後ろ側が常に引っ張られた状態になるため負担がかかる。

 

足裏へのダメージ

→正常の歩行では、足の裏がクッションの役割をして衝撃を和らげている。

 

歩行時の不安定感

→踵からつく歩行の比べて、つま先からの着地は力が入りにくくなりぐらつきなどの原因となる。

 

腰への負担

→ぐらつきを安定させるために腰の筋肉が緊張するため、腰痛の原因になることもある。

 

 

 

 

なぜ、前脛骨筋の機能低下が起こるのか?

 

主な原因は3つ

 

① 腰椎からの問題

 

② 下腿後面の固さ(ふくらはぎの後ろの固さ)

 

③ 前脛骨筋の筋力低下

 

 

 

 

まずは、①の腰椎からの問題を説明します。

前脛骨筋は「深腓骨神経」という神経からの命令を受けて動いています。

深腓骨神経は神経の始まりをたどると、皆さんご存じの坐骨神経」から始まっているのですか、この坐骨神経が出ているのが、腰椎の5番目からになります。

 

つまり神経の始まりの腰椎の5番目に障害があり、神経の命令がうまくいかなくなると、最終的には前脛骨筋に命令を出している深腓骨神経まで機能しなくなると言うことになります。

 

簡単に言うと

腰椎の5番(神経の始まり)

坐骨神経

総腓骨神経

深腓骨神経(前脛骨筋)

の順番に神経が流れているが、始まりの坐骨神経の部分で障害があると一番下の深腓骨神経まで神経が伝わらず、筋肉がうまく機能しない。

ということです。

神経の出始めに障害が起こると、それより下の神経がうまく伝わらない。 ※画像引用

 

 

 

 

次に②の下腿後面の固さについてです。

主につま先を持ち上げている筋肉が

前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋 

という筋肉になるのですが

 

この動きと逆の動きをしている筋肉が

後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋

長腓骨筋、短腓骨筋

という筋肉になります。

下腿後面の筋肉

 

そしてこれらの筋肉が固くなると、つま先が下に向く方向に引っ張られてしまい「下垂足」の形になってしまうのです。

下腿後面の筋肉が固くなる原因としては、

・ストレッチ不足

・立ち仕事などの疲労

・女性であればヒールをよく履くなど

・正座をする機会が多い

などです。

下腿後面の筋肉は姿勢保持筋でもあり、立っているだけで常に緊張している筋肉でもあります。

これから紹介するストレッチがおすすめです。

膝を伸ばした状態で、つま先が壁につくようにセットします。

 

そのまま体幹を前にもっていきます。このときも膝を曲げないようにしてください。

これだけでかなり伸びますので十分効果的なストレッチができますよ。

 

 

 

 

最後に③の筋力低下の説明です。

前回のブログでもお伝えしましたが、歩く機会が少ないと前脛骨筋は筋力不足になってしまいます。

筋トレ方法がありますので、こちらも参考にやってみてください。

チューブを使ったトレーニングです。

写真のように足首を矢印の方向に引くように動かします。脛の前側の筋肉の負荷を感じながら行ってください。

20~30回ゆっくり同じ動作を繰り返すことで効率的に前脛骨筋を鍛えることができます。

 

 

内臓との関連

 

そしてこの前脛骨筋

膀胱」との関連もあるんです。

 

膀胱の機能低下により、関連する前脛骨筋の機能も低下してしまいます。腰や筋肉自体に大きな問題がない場合は、「膀胱」にかかる負担が足の変形の原因となっているかもしれません。

 

実際の患者さんの症例ですが、

膀胱の負担で前脛骨筋が固くなり、筋肉のつながりで大腿四頭筋が固くなり大腿四頭筋の固さが腰に負担をかけて腰痛を起こしていたという例がありました。

このようにつながりをみていくと、前脛骨筋の固さはつまずきやすくなるだけでなく、腰痛などを引き起こすこともありますので注意が必要です。

 

 

膀胱が弱っているサイン

 

トイレの回数が多い(平均は1日6~7回)

残尿感がある

下腹部の痛み(排尿時)

このような症状がある場合は、

膀胱に負担がかかっている可能性があります。

 

女性に多い膀胱炎は細菌感染が原因とされていますが、尿意を我慢しすぎでも起こることがあります。過度に我慢するとバクテリアなどの繁殖で炎症が起こることもありますよ。

 

 

セルフケアは

○お腹、体を温めること

○適度に汗をかくこと

○水分をとること

です。簡単ですよね!

 

 

歩行時につまずく原因わかりましたか?(^.^)

前脛骨筋がつまずく大きな原因なのですが、他にも歩くときに太ももがあがっていないことなども原因になることがあります。大腿四頭筋の筋力も大切です。

普段から歩く際は踵からつくことと、ももをあげて歩くことを意識してみてください。

 

 

何気ない体の変化にも必ず原因があります。

ざっくりと運動不足というのは簡単ですが、どこの場所が異常をきたしているかを知ることが大切ですね。

 

 

 

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