ストレスとカリウム

その他の症状

 

今回は陸上部の学生さんの症例です。

「大会前にいきなり力が入らなくなり、うまく走れなくなった。」

という症状で来院。

 

痛みがある部位はとくに無く、大会が近づき徐々に緊張感が高まってきた頃、いきなり足に力が入らなくなりうまく走れなくなってしまったとのことでした。

 

力が入らない=神経?

体に力が入らない場合、神経がうまく働いていない場合があります。神経が働かない原因のひとつに体内のカリウムが過剰になっているというものがあります。

 

走るなどの運動の際に人間は、脳から「走れ」という命令が伝わります。しかし、カリウムが体内で過剰になると脳からの命令がうまく伝わらないことがあるのです。

 

ストレスとカリウムの関係

なぜ体内のカリウムが過剰になってしまうのか?

それはストレスとの関係が深い場合があります。

本来カリウムは過剰に増えると、アルドステロンというホルモンが分泌され、尿などと一緒に体外に排出されます。

 

しかし人間の体は、長期間ストレスを感じている場合などでは、このホルモンの分泌に乱れが生じてしまい、カリウムがうまく体の外に出せない状態となるのです。

 

そのため神経の伝達に問題が起きてしまいうまく体が動かない、しびれが出るなどの症状として現れます。

 

今回の学生さんの場合、記録が期待されているプレッシャーで極度のストレスを感じていたようでした。

 

 

カリウムの過剰は自律神経の乱れなどの原因にもなります。

不眠症、食欲低下、便秘などです。

 

 

このことから、ストレスとカリウムは大きく関係しているとわかります。

 

カリウムが多い食材として

大豆、昆布、しいたけ、アボカドなどがあげられます。

 

人間の体は、常にナトリウムとカリウムのバランスが保たれていることにより正常な働きをしています。

ストレスを感じている場合は、塩分を多目にとることも大切です。

 

まとめ

①人間の体はカリウムが過剰になると、神経がうまく伝わらなくなる。

②カリウムが過剰になると本来はアルドステロンにより、体の外に出される。

③アルドステロンはストレスを感じている場合、分泌に乱れが起きる。

④アルドステロンなどのホルモンの乱れにより、カリウムが外に出されない。

⑤結果、ストレスが原因で体が動かないなどの症状が現れる。

 

ストレスには種類があります。

精神的なストレス

嫌なことや、不安なこと。過度の緊張など。

体の構造などからくるストレス

体の歪みや、痛みによるもの。

化学的なストレス

タバコやお酒の飲み過ぎなど。

 

ストレスとうまく付き合いながら、対処することが大切です。

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